記憶に残るホテルや、旅先での体験、お土産、忘れられない味などなど・・・。旅にまつわるさまざまな思い出をほぼ毎日更新。本日は、one nova ファウンダー / ディレクターの金丸りりあんによる、思い出の食体験について。
旅とホテルのミニコラム:日常に旅の余韻とヒントを。
円卓を囲って|金丸りりあん
2025.12.19
No.090

大連、青島、上海を巡り、いくつものいただきますをした。
ほとんどの場合、部屋の中心には円卓のついた机があってみんなでまあるく座る。次から次へと運び込まれるお食事はいずれも大きなお皿に盛られ、ふるりと立派な佇まいをしていた。
まあるい海老が礼儀正しく鎮座する焼売
黄色く輝くスープにとろりと浸かった鶏肉
湯気に包まれきらきらと輝くお野菜たち
祝福をするような鮮やかな赤色の北京ダック
身の大きさを宣言するような佇まいの蟹
数種類の香辛料を纏って横たわる大きな魚
たっぷりとした具材がつるりと透けるチョンファン
それぞれが主役ばりのお食事たちは円卓の上に所狭しと配置されていく。
どうぞどうぞと円卓がまわされ、向かいにあった大皿は順番に一人一人の前を巡り、いよいよ私の目の前へ到着した。喉の奥に緊張を感じながら大皿に手を伸ばし、自分の小皿に盛り、私もどうぞどうぞと円卓をまわした。
はじめの一口から、ふわあと体の関節がほどけてお腹の奥からぽっぽと温まっていくのを感じた。円卓が一周した食卓を見渡すと、皆の頬は同じようにゆるまり、紅潮していた。美味しい顔たちだと思った。
めくるめく登場する絶品は円卓に乗って一人一人の目の前をめぐり、まんべんなくお腹を満たしてくれる。様々な種類の美味しい声が聞こえてくるのが嬉しかった。
各々が好きなように円卓を回してみたり、向かいのあの人のために円卓を回したりもする。旅行を終える頃には私はいたく円卓が欲しくなっていた。中には自動でまわってくれる円卓もあったけれど、私は自分で円卓をまわしたいな。
大好きなご飯屋さん、オフィスの真ん中、広い部屋があるお友達の家もいいかもしれない。
円卓を囲みたい、回したい、一緒にいただきますをしたい人たちのことを考えた。






金丸りりあん
one nova ファウンダー / ディレクター
1999年うまれ。アンダーウェアブランド one nova の ファウンダー / ディレクター。
円卓を囲むホテル
自然に囲まれた円卓で過ごすのも良し
