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旅とホテルのミニコラム:日常に旅の余韻とヒントを。
瞼の裏の海 |金丸りりあん
2025.12.17
No.088

記憶に残るホテルや、旅先での体験、お土産、忘れられない味などなど・・・。旅にまつわるさまざまな思い出をほぼ毎日更新。本日は、one nova ファウンダー / ディレクターの金丸りりあんによる、忘れられないホテル「Aston Waikiki Beach Tower Suites」について。

部屋に入ると大きな窓から海が見えていた。


リビングを通り抜けて吸い込まれるようにベランダへ出ると、不安になるほど果てまで海が続いていた。水面はゼリーのようにつるりとしていて、波がうごめくたびにちろちろと光っている。瞳の奥まで眩しさが届いた。


いろんな青色が混ざったビーチ、てんさい糖のような砂浜、ぽつぽつと色とりどりのパラソル、浮き輪、人々。見える全てが昨日までの生活から離れた色で、明るさで、現実味のない景色のように思えて不思議な気分になる。


母が親戚たちにテレビ電話でルームツアーをしていて、父が姉に見える景色のひとつひとつを説明する。姉はそれを聞きながらパチパチと写真を撮っている。


ベッドルームにも海に面した窓があって、ひとまわり小さいサイズの窓に安心した。


まだ綺麗なままのベッドへ寝転んで、久しぶりに体を伸ばして、空と海しか見えない窓に目をやる。レースがゆれて窓辺に風の輪郭があらわれる。地上から少し離れたこの部屋にも波の音が届いた。さっきまで見ていたパラソル、浮き輪、窓辺のレース、風景のさまざまを目を瞑ってもう一度みた。まだ瞼の裏で思い出せる。


隣の部屋からはまだ母の明るい声がした。

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金丸りりあん
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one nova ファウンダー / ディレクター
1999年うまれ。アンダーウェアブランド one nova の ファウンダー / ディレクター。
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